ヨーロッパの北に位置するバルト三国は、日本からの旅先としてはまだあまり馴染みがないですよね。
しかし、おとぎ話に出てくるような中世のたたずまいを残し、長く複雑な歴史と文化を受け継いできたとても魅力的な国々なんです。
それぞれコンパクトな国ながら中世ヨーロッパの歴史的建造物が多く、時が止まってしまったかのような可愛らしい街並みが広がります。
そのなかでも、1997年にユネスコ世界文化遺産に登録されたエストニアの首都、タリンの旧市街は、ヨーロッパの隠れた都として人気の観光地。
絵本の中から抜け出たような美しい街を歩いてみました!
エストニアってどんな国?
タリンの城壁に囲まれた旧市街はその街全体が世界遺産に登録されています。

それに比べて新市街は街並みがたいぶ異なり、高いビルが乱立する都会です。

そんなエストニアですが、美しい歴史地区とともに、実はハイテク産業国としても知られているんです。
Skypeはエストニアで誕生し、世界中から多くのIT企業が進出したことで「北欧のシリコンバレー」とも呼ばれています。
小さいころから授業にWebやモバイルアプリの開発を取り入れるなど、OECD (経済協力開発機構)が行う国際学力調査(PISA)においても、毎年ヨーロッパの上位に君臨しています。
無線LANも世界屈指の普及率となっており、空港やカフェ、ホテル、レストランはもちろん、公園や病院、ビーチなどの公共の場でもWiFiが使えます。
また、マイナンバー制を真っ先に導入し、選挙から教育、医療、警察、居住権まで全てインターネット上でできる「e-Government(電子政府)」の取り組みでも世界の最先端を走っています。
タリンへの行き方
2018年4月現在、日本からタリンへの直行便はありません。
日本⇔ヘルシンキで最短9時間半のフライトで運航しているフィンエアーがオススメです。

ヘルシンキ乗継にてバルト三国の主要都市へ入ると、そこからは高速バスが便利です。
【タリンへのアクセス】
★ヘルシンキから・・・
高速艇とフェリーが運行しています。
・所要時間:1時間40分〜2時間30分
・料金 :片道€19〜
関連記事:ヘルシンキ⇔タリンをつなぐ豪華フェリー「Tallink Silja Line(タリンクシリヤライン)」に乗って日帰り旅行に行ってきた!〜予約方法とレビュー〜
★周辺都市から・・・
・リュクスエクスプレス Lux Express
高速バスはこちらがオススメ。路線網やサービスが充実しています
タリン歴史地区の見どころを一挙紹介
以下ではここだけは見てほしい、タリン歴史地区の見どころを7つご紹介します。
ふとっちょマルガレータ
フェリーの港から歩いていくと、さっそく入口にふとっちょマルガレータが見えてきます。
砲台として作られた太めの概観が愛らしい塔で、タリンの最も古い建造物。現在はエストニア海運博物館として船具などが展示されています。

★どうしてふとっちょマルガレータなの?
いったいふとっちょマルガレータとは誰のことなのでしょう?それはこの建物が監獄として使われていた頃、囚人たちに食事を作っていた小太りのおかみさん「マルガレータ」のことだそうです。囚人たちはマルガレータに尊敬と畏敬の念をもって接していました。この建物がずっしりとしたシルエットだったこともあって、彼女への親しみをこめて建物自体をふとっちょマルガレータと呼ぶようになったそうです。
入口を入っていくと、美しい石畳の道がずっと続きます。

聖オレフ教会
旧市街で一番の高さを持つ塔で、旧市街を見渡すには一番の眺望スポット。
オレフと呼ばれる伝説の巨人が教会を建てたと言い伝えられています。入場料(塔含む)は2ユーロ。

聖オレフ教会はタリン城壁の内側に建っています。近くからだとどうしても見上げる格好になってしまうので、少し遠くから見た方が絵になります。
三人姉妹
15世紀の住宅で「三人姉妹」と呼ばれる建物。こちらは三人姉妹(スリーシスターズ)ホテルというホテルなんです。
天皇皇后両陛下や英国のエリザベス女王が、エストニアを訪問されたときに宿泊された5つ星ホテルなんだとか。


ラエコヤ広場(旧市庁舎広場)
町の中心にある広場。カフェやレストランなどがたくさんあってにぎやかです。
私たちはちょうどクリスマスシーズンに行ったので、クリスマスマーケットが開催されていました。

屋台も出ていました。若いお兄さんが次々にくるお客さんをうまくさばいています。

お兄さんのおすすめで注文したポークとソーセージとザワークラフトが絶品でした!
ちなみに北欧では、肉にかける鉄板ソースはベリーソースです。

旧市庁舎は、広場の一角にあるゴシック様式の建物で、高さは65mほどあります。
塔に上がったり、今も使われている来賓用の「市民の間」を見学することができます。

トームペア城
アレクサンドル・ネフスキー聖堂の向かいにある、支配者が変わる度に改築されてきた城。
現在はエストニアの国会議事堂として使われています。

南側には「のっぽのヘルマン(Pikk Hermann)」と名付けられた塔があり、タリンのシンボル的存在になっているそうです。

市議会薬局
ハリーポッターに出てきそうな怪しい雰囲気の薬局。創立1422年の北欧の薬局の中でも最も古い薬局の一つです。
恋の病を治す秘伝の薬や、飲むと長生きができると言われている「クラレット(Klaret)」というワインが買えることでも有名です。

奥の部屋には中世から伝わる製法で作られた秘伝の薬が展示されています。
乾燥したカエルの足や淡水魚キタカワカマスの目玉、ユニコーンから採取したとされる粉、黒ネコの血、ミイラの断片、油漬けのミミズ、あぶったハチ、オオカミの腸、ウサギの心臓などなど・・
いずれも数世紀のあいだ「奇跡のような効果をもたらす」薬として処方されていたようです。

ヴィル門
タリン旧市街の東側の入り口に当たるヴィル門(下町エリア)。
ここの周辺にはお土産屋さんが立ち並んでいるので、ぜひ色々見てみてください。
