ポーランド

ヴィエリチカ岩塩抗に行ってきた!行き方・チケット料金・見どころを徹底解説

2019GWの東欧旅行にて。

ポーランドには「クラクフ歴史地区」、「アウシュヴィッツ強制収容所」、そして「ヴィエリチカ岩塩坑」の3つの世界遺産があります。

ポーランドに2日滞在し、まずはヴィエリチカ岩塩坑へ行ってきました!

ヴィエリチカ岩塩抗の概要

まずはさらっとヴィエリチカ岩塩抗について。

ヴィエリチカ岩塩抗は、クラクフの近くに位置する世界最古の製塩企業。1044年に創業し、1996年までの間、およそ900年にもわたって塩の採取を行ってきました。

坑内の洪水の危険性などから採掘は中止され、いまは観光地となっています。

ヴィエリチカ岩塩坑が観光向けに公開しはじめたのは18世紀ごろ。あのコペルニクスやゲーテ、ショパンも訪れたというのだから驚きです。

岩塩抗の深さは327メートル、全長はなんと300キロ!ポーランドの地下をはりめぐらすように横断し、古くからヨーロッパの人たちに貴重な資源である塩を届けてきました。

世界遺産として登録された歴史も古く、ユネスコの世界遺産としてはじめて登録された12の遺産のうちの1つなのです。

ほかにもガラパゴス諸島やイエローストーン国立公園、クラクフ歴史地区、キトの市街も世界遺産の第一号なんです。

ヴィエリチカ岩塩抗への行き方

ヴィエリチカ岩塩坑へいく方法として、列車、バス(ローカルバス、Flix Bus)、Uberの3つのアクセス方法をご紹介しておきます。

列車で行く方法

一番人気のアクセス方法が、クラクフ中央駅から列車で行く方法です。乗車時間も20分くらいでバスよりも短く、終点でおりればいいのでわかりやすい。

「WIELICZKA RYNEK(終点)」行きの列車に乗りましょう。

乗車券は券売機または列車の乗務員から購入できます。乗車料金は4.5ズロチ(約130円)で所要時間は約20分です。

最新情報(2019年6月時点)
2020年までのあいだ、クラクフ空港~ヴィエリチカ岩塩抗の列車は線路・駅工事中につき1時間に1本しか走っていないようなので、他の方法で行った方がよさそうです。

バスで行く方法

●市バス304番

クラクフ中央駅からすぐのPURO HOTELの目の前からヴィエリチカ岩塩抗行きの市バス304番が出ています。

運賃は4ズロチ(約115円)で列車とほぼ同じ値段なのですが、所要時間が列車の2倍もかかる点がネック。

ただし平日は10分おきにバスが走っているので、細かなスケジュール調整が可能でしょう。

●Flix Bus

2013年にサービスを開始して以来、利用者数が急増しているドイツの長距離バス会社「Flix Bus」。ドイツからヨーロッパ全土に広がり、クラクフでも利用できるようになりました!

格安な料金設定でありながら、無料Wi-FiやUSBチャージャーがついていたりと、快適に移動できることで人気を集めているようです。Flix Busの予約はこちらからできます。

配車アプリを利用して行く方法

意外とおすすめな配車アプリ。今回私はこの方法で行きました。ポーランドでメジャーな配車アプリはUberBoltです。

英語がわからないドライバーも多いのですが、場所を伝える面倒がなくて、料金も明瞭、目的地にダイレクトで行けるとなれば、利便性で考えるならこの方法がベスト。

クラクフ歴史地区からヴィエリチカ岩塩坑までのUber乗車料金は39ズロチ(約1,120円)でした。タクシーより安いんじゃないかな?

今回の旅行ではじめて使ってみたんですが、操作がおどろくほど簡単なので、タクシーを迷っている方はこっちの方がおすすめです。

営業時間、チケットの料金・購入方法

チケットは現地の窓口で購入できますが、7~9月の繁忙期は窓口が非常に混みあうため、事前に購入しておくことをおすすめします。

営業時間

ヴィエリチカ岩塩坑の営業時間は以下です。11〜3月の冬季は営業時間が短いので注意してくださいね。

4〜10月7:30〜19:30
11〜3月8:00〜17:00

最新の情報は公式サイトから確認してみてください。

チケット料金

チケット料金は以下。ツアーガイド参加は必須です。

大人89〜94ズロチ(約2,540〜2,680円)
子供・学生69〜74ズロチ(約1,970〜2,110円)

チケット購入方法

公式サイトでチケットを購入する場合には、岩塩坑内のツアー参加時間の指定も必要です。移動時間には余裕を持っておきたいところです。

「移動時間がどのくらいかかるか不安だわ」って人は現地のオプショナルツアーもおすすめ。

\ ヴィエリチカ岩塩抗ツアーをみてみる /

詳細はこちら

公式サイトにはない日本語ツアーガイドもあります。

いざヴィエリチカ岩塩抗へ!

朝9時ごろにヴィエリチカ岩塩坑に到着。まずは入場券を購入して、同時に英語ツアーも申し込みます。

朝9時はまだ人が少ない

この時間帯はまだ人が少なかったので、並ばずにチケットを買えました。

ドイツ語やフランス語のツアーもありますが、英語ツアーの催行がやはり一番多い様子。

ツアーの開催時間

女性のツアーガイドさんのあとについて岩塩坑に入っていきます。

これにイヤホンをつけてガイドの説明を聞くことができる

ひたすら地下へ降りる

岩塩坑へ入ったら、階段でひたすら地下へおりていく。膝がぷるぷるするくらい果てしなく階段でおり続けた記憶があるけど、実際に降りたのは64mほど。

はじめに見たのは「アントニの間」と呼ばれる、岩塩の塊を運ぶ坑内員のオブジェ。

アントニの間

「ウルシュラの間」は1649〜1684年の運搬システムを再現している場所。木が綺麗に積み上げられています。

ウルシュラの間

コペルニクス、キンガ姫の像

1493年にここを訪れたコペルニクスの像が飾ってありました。コペルニクスってこんな感じの人だったんだ。イメージと違う。

コペルニクスの像

ちなみにここの床や壁もすべて塩でできています。光を近づけてよーく目を凝らしてみると、光を受けてうっすら透き通っているのがわかります。

うっすら透き通っている

さらに進んでいくと、「ヤノヴィツェの間」が見えてきます。キンガ姫の伝説をモチーフにした像があります。

キンガ姫の伝説をモチーフにした像

キンガ姫の伝説とは
ポーランド王との結婚をしたくなかったハンガリー王女・キンが姫は、婚約指輪をハンガリーの岩塩坑に投げ捨てたあと、ポーランドに嫁ぐことに。王妃となったキンガがヴィエリチカに訪問した際、捨てたはずの指輪が出てきたため、その地下を掘るように命じたところ、広大な岩塩層が見つかりました。そのあとポーランドはヴィエリチカの岩塩採掘を国家事業として繁栄させましたが、その礎となる岩塩を発見したのがキンガ姫だったという伝説。

運搬に馬が利用されていた様子

焼き場。ここで危険なメタンガスの発生を確認したんだそう。

16世紀ごろ、運搬には馬が利用されていました。どうやって大量の馬を地下に連れてきたんだろう・・

また、ここには最盛期を誇ったカジミエシュ3世の像があります。

さらに下へおりていきます。ここは「ピスコヴァ・スカワの間」といって、17世紀に作られた階段。

当時、坑内員がここを何往復もしていたことを想像すると、苦労がしのばれます。

ピスコヴァ・スカワの間

聖十字架礼拝堂。ここは坑内員が事故に見舞われないよう、19世紀に建てられた礼拝堂です。

聖十字架礼拝堂

ここで5分ほどのトイレ休憩。このあとは聖キンガ礼拝堂を見にいきます。

聖キンガ礼拝堂

ヴィエリチカ岩塩坑のハイライトである「聖キンガ礼拝堂」です。これを目的に来る人がほとんでしょう。

階段上からみた聖キンガ礼拝堂

ここの深さは101.4m。約70年かけて1962年に完成しました。

ここの見どころは床や壁、聖像や絵画にいたるまで、すべて塩でできているところ。

シャンデリアも塩でできています!

最後の晩餐の岩塩レリーフ。こちらもよーく目を凝らしてみると、光を受けてうっすら透き通っているのがわかります。

ヴィエリチカの塩は白または薄いグレーがかった色。

塩でできた見事な聖壇。

すべて塩で作ったなんてすごすぎる・・!

左手にはイエスの磔刑像も見えます。

落盤などの危険を伴う岩塩採掘に従事する坑内員たちは、守り神として聖キンガを熱く信仰するほか、最後の晩餐をはじめとした多くの岩塩彫刻に、熱心なカトリック教徒としての信仰が見られました。

塩湖もたくさんありました

聖キンガ礼拝堂を出たあとは、美しい塩湖をいくつか回ります。

まずは「バロンチの間」。小さな塩湖ですが、最深部で9mあるんだとか。

深緑色でなんとも神秘的。

途中で「ミハウォヴィツェの間」を通ります。17世紀に建てられた木の柱が美しい。こんな高さの建造物をいったいどうやって作ったのか、想像ができません。

「ピウスツキの間」。ここでは19世紀に訪れたショパンの曲が流れています。

最後にはお土産屋さんコーナーも

ツアーの最後に、ヴィエリチカの岩塩を使ったおみやげが揃ったショッピングエリアを訪れました。

採掘した岩塩かな?これらも販売されていた

ガイドさんが「ここでお土産を買うもよし、そのまま出口へ向かうのもよし」と言っていたので私はお土産は買わずに出口へ直行。

また、地下にはフードコートやレストランもあるので、お腹がすいた方はここで食べるのもいいと思います。

出口。ここからエレベーターに乗って地上まで戻ります。

ヴィエリチカ岩塩坑へ行った感想

この2時間ほどはまったくの別世界にいたような感覚になりました。地下にあんな世界が広がっているなんて、ちょっと不思議ですね。

今回歩いたのは、全体の100分の1にあたる約2.5kmなので、全体を考えると途方もない大きさ!

部屋も公開されているのは25部屋ですが、実際には2300もあるんだとか。いやー規模がすごい。

かなり圧倒されるので、クラクフを訪れた際はぜひ行ってみてほしい場所の一つです。

クラクフ旅行のヒント集

クラクフへ行く前に役立つ(かもしれない)情報をまとめました。参考になれば嬉しいです!

ガイドブック編

はじめて行くのに1冊は持っていきたいガイドブック。おすすめは以下です。

旅のヒントBOOK

イカロス出版の「旅のヒントBOOK」は見やすいデザインと女子好みな情報がたくさんつまったお気に入りの一冊。また、定番だけではなく少しマニアックな観光スポットが載っているのがポイントです。

とっておきのポーランド

「地球の歩き方」が出しているガイドブックのGem Storeシリーズ。必見の観光スポットから地方まで、幅広く紹介しているのがポイント。ポーランドのどこに行くかまだ決めてない人にはちょうどいい1冊だと思います。

宿泊編

Aparthotel Best Viewsのラグジュアリーダブルルーム

ポーランドの物価はとにかく安い!!私が泊まった旧市街広場の近くにある、アパートホテル ベスト ビューというホテルは、上の写真の部屋で1泊8,000円でした。せっかくだしちょっといいホテルに泊まってみるのもいいかもしれないです◎

 クラクフのおすすめホテルAparthotel Best Views宿泊レビュー【コスパ最高】

そのほかクラクフのおすすめホテル!
ボネロウスキホテル(13世紀の建造物を改装)
ホテル ポッド ロザ(旧市街中心地にある高級ホテル)
ホテル コペルニクス(ルネサンス様式の5つ星ホテル)

交通編

プラハからクラクフまで夜行列車で移動したんですが、これが想像以上に快適で素晴らしい体験でした!ガタンゴトンと音がする列車の中で目覚めると、外の景色がガラッと変わっている光景をみると、旅気分がさらに盛り上がります。ヨーロッパの陸路移動の参考にしてください。

 プラハからクラクフの夜行列車が超快適だった。予約方法・料金・乗車記