アジア

香港歴史博物館でレトロな香港へタイムスリップ!見どころを徹底解説。

2019年GWの香港旅行にて。急ぎ足の観光で、香港歴史博物館へ行ってきました。

香港の歴史を楽しみながら学ぶことができて、なんと撮影は自由!戦前の香港の街並みや人々の暮らしを実物大で再現した展示コーナーなど、けっこう楽しめます。

しかもここ、入場料が無料なんです。隙間時間があったらぜひ行ってみてください♪

香港歴史博物館の概要

まずはさらっと香港歴史博物館についてご紹介。名前の通り、香港の歴史について学ぶことができる博物館です。

4億年前のデボン紀から1997年の香港返還までの歴史について、3,700点を超える展示品や、750を超える文字説明、多くの立体模型や映像を通してわかりやすく説明されています。

入場料は無料!

なんとここ、入場料が無料なんです。

展示品の数がかなり多く、鑑賞には最低2時間かかるのですが、これだけ盛りだくさんで無料というのはとてもお得です。

無料だからといって展示品がチープなのかと思いきや、当時の香港の再現度はかなりのクオリティのもの。香港の本気度が伝わってきます。

日本語の音声ガイドサービスもある!

8つのギャラリーに展示されている100点以上の展示品や模型などに対して、音声ガイドが用意されています。選択可能な言語は広東語、英語、北京語に加えて、日本語ガイドがあるのもグッド。

正面入り口入ってすぐ左の、音声ガイドサービスセンターで借りることができます。料金は10HK$(約140円)。

観覧のだいたいの所要時間

所要時間は少なくとも2時間は用意しておくといいと思います。

1階の1〜4展示室は約45分、3階とミドルフロアの5〜8展示室は約1時間が目安です。これに加え、各展示コーナーでの映像上映もみる場合は、3〜4時間かかるでしょう。

いざ香港歴史博物館へ

MTR尖沙咀(チムサーチョイ)駅のB2出口から歩いて8分。博物館の建物自体はエスカレーターを上がった2階にあります。

右側にエスカレーターがある

ギャラリー1:香港の地形と動植物

展示は、4億年前から現在にいたるまでの香港の地形の変化からはじまります。

入り口には地球の模型

この入り口をはいると、人口の石でできたタイムトンネルがあって、4億年間の香港の地質年代と各時期の地形の変化がわかります。

このタイムトンネルを抜けると、高さ約18メートルの高さの樹木が茂った林があらわれました。

タイムトンネルを抜けるとあらわれる林

林の中には鳥や爬虫類、哺乳類などの標本が置かれていて、まるで大自然の中にいるよう。トラの標本には少しドキッ。笑

6000年前の香港の動植物や自然環境との関係性を表しているそうです。

ギャラリー2:香港の原始人

お次はギャラリー2、「有史前の香港」です。6000年前の新石器時代、香港にはすでに人類が暮らしていたそうで、その時代の石器や陶器、青銅器などが展示されていました。

出土場所などの説明書きがある

特に興味をひかれたのは長さ42メートルの砂浜に、当時の人々が浜辺で煮炊きをしたり、家を建てたり、石器や装飾品を作る様子が再現された展示。

当時の人が生活している様子
数千年前の原始人の生き生きとした暮らしぶりをイメージすることができました!

ギャラリー3:秦漢時代から清代までの発展

ギャラリー3では、王朝の発展が詳細に説明されています。

石造りのギャラリー3

秦とか漢とか越族とか聞いてもピンとこないんですが、要するに、様々な氏族が次々と香港に移住してきたのがこの時代で、香港の社会経済は一気に発展したようです。

ギャラリー4:香港の民俗

ここの展示では、香港と華南地区に暮らす4つの主要な民族の生活が見られます。地元の人の結婚式や、元宵のランタン祭りの習わし、村内の質素な様子などなど。

芝居小屋

ここの見どころは長州島の太平清醮の祭りに飾られる、饅頭でできた3つの大きな塔!とっても大きいです。

饅頭でできた3つの大きな塔と獅子舞

 太平清醮とは?
太平清醮の「醮」とは祭事のこと。伝えられるところでは、長州島で疫病が流行った際、島民たちは北帝神に祈りをささげ、北帝の神像を祀って練り歩いた結果、疫病がなくなったそう。現在でも島民たちが龍や獅子舞によるパレードが行われるなどのお祭りがあります。

この塔のほかにも、子供を高く担ぐ神輿、獅子舞、道教の祭壇などが展示されていて、鮮やかでにぎやかな当時の様子が想像できます。

仏教が清貧を重んじるのに比べて、道教文化の香港は「盛れば盛るほど幸がある」といった考え方なので、とにかく豪華!

ギャラリー5:アヘン戦争での敗北と香港の割譲

アヘン戦争での敗北によって、中国は香港をイギリスに割譲しました。

砲台や武器の展示が多く、戦争当時の雰囲気を感じることができます。

また、中国が香港をイギリスに割譲したとき、ポルトガル人のマカオ上陸と当地での貿易活動、広州の外国商社・十三銀行による貿易、初期の日英関係などなどに関する書類も展示してありました。

ギャラリー6:香港開港。いきなりヨーロピアン!

港岸にはヨーロッパ式の蒸気船が1隻停泊しているのがはじめに目に入ってきます。香港が開港した時代ということがわかります。

港岸に停泊しているヨーロッパ式の船

ヨーロピアンスタイルの洋館の奥には古い通りがあって、茶葉問屋、裁縫屋、雑貨店、茶楼、郵便局、銀行、商社などが再現してあります。

そして、古色豊かな誠済堂薬局や2階建てトラムが並び、売り声や電車の行き交う音が響き、街灯が黄色く灯っているなど、戦前の香港の街の様子がよくわかるような再現がされています。

裁縫屋さん
茶葉問屋
薬局

昔の時代にタイムスリップしたみたいで楽しい!

トラム

中2階には、戦前の香港の政治体制、法制度、人々の生活や教育など、あらゆる方面での発展が資料で紹介されています。

ギャラリー7:日本に占領されていた時代

このギャラリーは暗い防空壕のような作りになっていて、戦争当時の雰囲気が再現されています。

1941年12月25日、大東亜戦争で香港が日本に投降し、香港は3年8ヶ月のあいだ日本の占領下にありました。

日本占領期の香港の生活、人々の怯え、恐怖の中での生活が表現されていて、日本人の私からするとちょっと複雑な気分・・

ギャラリー8:戦後の香港が現代都市へと発展していく様子

常設展示の最後は、戦後の香港が現代都市へと発展していく過程が紹介されています。

年代ごとの映画のハイライトが上映されている

1960年代の喫茶店やストア、理髪店、映画館や勉強している子供の様子などを見ることができて、香港が戦後いかに経済・文化が発展していったかを知ることができます。

理髪店
子供たちが勉強している様子

以上でギャラリーは終了です。ざっと紹介しましたが、これらは展示のほんの一部。ほかにも展示品はたくさんありましたし、きっと香港の歴史に興味がわくはずです。

レトロな香港を感じたい!という方にもおすすめですし、歴史好きな人にもおすすめ。なにより入場料は無料なので、是非是非いってみてください!