嘆きの壁につづき、エルサレムの旧市街の記録です。
今回は、イエスが有罪と判決されてから、ゴルゴダの丘(現在の聖墳墓教会がある場所)まで十字架を背負って歩かされたとする道「ヴィア・ドロローサ(苦難の道)」の訪問記です。
前回の記事はこちら
【イスラエル一人旅①】エルサレムの旧市街を歩く~嘆きの壁編~
目次
ヴィア・ドロローサとは
ヴィア・ドロローサ(苦難の道)は、イエス・キリストがピラト官邸で有罪判決を受けたあと、十字架を背負って磔になったゴルゴダの丘まで約1kmを歩いた道のりです。

このあたりは昔から繁華街だったそうで、おそらくイエスは大勢の民衆の目にさらされたことでしょう。その中には母マリアの姿もあり、罪人の汚名を着せられた我が子を見るのは辛かったに違いありません。
ヴィア・ドロローサには第1留から第14留までのチェックポイントがあり、イエス最後の歩みを辿ることができます。

これぞ本家本元の巡礼の道であり、世界中からここを目指して信徒たちがやってきます。
ラテン語で「悲しみの道」という意味をもつこの名は、イエスやマリアを含め、その沿道で見守る人々の多くの思いを表した名でもあるそうです。
実際にヴィア・ドロローサを歩いてみた
第1留 死刑判決を受ける(エル・オマリヤ・スクール)
ローマ帝国の第5代ユダヤ属州総督のピラトによって死刑判決を受けました。現在はエル・オマリヤ・スクールの校庭になっています。

金曜日のフランシスコ派修道会の行進はここから始まります。
第2留 鞭打ちの教会
ここでイエスは十字架を背負わされます。さらに茨の冠をかぶせられ、ローマ軍の兵士たちに鞭で打たれました。

鞭打ちの教会内にあるステンドグラスには、この時の様子が描かれており、祭壇上のドームに茨の冠が置かれています。

第3留 最初につまずく
イエスが十字架の重さに耐えかねて、最初につまずいた場所。現在はアルメニア・カトリックの所属となっています。

第4留 苦悩の母のマリア教会
マリアが十字架を背負ったイエスを見たとされる場所。現在はマリア教会になっており、入り口にもその苦悩の姿の彫刻が見れます。

第5留 シモンがイエスの代わりに十字架を背負う
ユダヤ人のシモンがイエスの代わりに十字架を背負わされた場所。巡礼に来ている時、たまたま通りかかったところで背負わされたということが、マルコによる福音書15:21にも書かれているそうです。

第6留 ベロニカ教会
ベロニカという女性が、イエスの顔を絹のハンカチで拭った。すると、そのハンカチにキリストの顔が浮かび上がったといわれています。

この出来事が書かれています。

現在はヴァティカンのサン・ピエトロ大聖堂に保管されています。
第7留 再びつまずく(スーク交差点)
ここに審きの門といわれる城外に抜ける門があり、その敷居につまずいたため、2度目につまずいた場所とされています。


第8留 鞭打ちの教会(ギリシア正教会)
イエスがエルサレムの娘たちに「私のために泣くな。自分たち、また自分の子供たちのために泣くがよい。」と語ったといわれる場所。壁には記念の十字架が刻まれています。

第9留 3度目につまずく(聖墳墓コプト教会)
スーク・ハーン・エッゼイト(Suq Khan Al-Zeit St)の通り沿いにある小さな商店の脇の階段を登り、道なりに右折後、左折!木製の十字架が立てられていますが、ここがイエスが3度目に倒れた場所のようです。

聖墳墓教会(Church of the Holy Sepulchre)
第10留から第14留までは聖墳墓教会の中にあります。
第10留 イエスが衣服を脱がされた場所
聖墳墓教会の入口右横にある聖堂が第10留です。ここでイエスはローマ兵に衣服を脱がされました。

第11留 イエスが十字架に釘付けにされた場所
ローマ・カトリック小聖堂の階段を登ると右側に祭壇があり、ここでイエスは十字架に釘づけにされたといわれています。

第12留 イエスが息を引き取った場所
ローマ・カトリック小聖堂と隣接した、ギリシア正教会の小聖堂の祭壇です。磔にされたイエスのイコン(聖像画)があります。

祭壇の下の岩、印のあるところが、磔になったイエスの十字架が立てられ、息を引き取った場所だといわれており、みんな順番に額をつけていきます。

第13留 マリアが亡骸を受け取る
第11留と第12留の間には、「スタバト・マーテル(悲しみの聖母)」という、イエスの死を嘆くマリアの小祭壇があります。

ここでマリアはイエスの亡骸を受け取ったとされています。
第14留 イエスの墓
ヴィア・ドロローサの終点です。イエスが墓に納められた場所とされ、天使の礼拝堂の奥にある小さな部屋に、墓石が納められています。

常に大行列ができているため、入るのは断念しました。

イエスの聖骸に香油が塗られた場所
聖墳墓教会に入ってすぐ目に止まるのがこちら。ヴィア・ドロローサのチェックポイントには入っていませんでしたが、こちらも重要とされています。

大勢の人が赤石に触って、さすって、頭をつけて、祈りを捧げていました。
嘆きの壁がユダヤ人にとって祈りの場であるならば、こちらはキリスト教版の嘆きの壁という感じでしょうか。

ヴィアドロローサは現地ツアーがおすすめ
旧市街の中にあるヴィアドロローサは、各チェックポイントごとに目印があるもののあまり目立ちません。それぞれのチェックポイントにまつわるお話を聞きながらじっくり周りたい人は、現地ツアーに参加しましょう。
ベルトラは日本語ガイドのツアーが24時間ネットで予約できるのでおすすめ。

毎週金曜のヴィア・ドロローサ(十字架の道行き)
聖地巡礼者や観光旅行者が練り歩くという信心業をヴィア・ドロローサ(十字架の道行き)と呼ぶこともあります。
毎週金曜日の午後3時(サマータイムは午後4時)、エッケ・ホモ教会からスタートし、十字架を担ぎながら行進します。

イエスの身に起こった出来事に関する祈祷文を読み上げ、みんなで賛美歌を合唱しながら歩くことができますよ。タイミングが合う方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
2日目はエルサレムから日帰りでベツレヘムへいきました。
【イスラエル一人旅③】ベツレヘム:分離壁には心打たれるアートがたくさん
イスラエルへ行く前に
イスラエルへの渡航準備に必要な情報をまとめました。参考になれば幸いです♪
ガイドブック編
見知らぬ国へいくのに1冊は持っていきたいガイドブック。以下でおすすめの2冊をご紹介します。
地球の歩き方
朗報です。ついに2019-2020年版が出ました!(笑)私がイスラエルへ渡航したとき(2018年4月)には2015年版までしか出ていなかったので、皆さんが書いたブログをたよりに地道に調べましたが、地球の歩き方があれば情報収集は楽になりますね。
(2023/06/01 02:19:14時点 楽天市場調べ-詳細)
すごいぞ!イスラエル
イスラエルに旅行したとき唯一持っていった本が、みなみ ななみさん著の「すごいぞ!イスラエル」です。イスラエルの基本的な文化から生活スタイル、「なんでそうなの?!」というツッコミどころ満載なイスラエリ(イスラエル人)を、イラストを混じえておもしろおかしく書いています。イスラエルという国民性を広く浅く理解するならこちらの本がおすすめ。
現地ツアー編
イスラエルの現地ツアーはなかなか見つけにくいのですが、VELTRAでは日本語ガイドが予約できます。以下のようなツアーがあるので、滞在日数や予算にあわせてチェックしてみてください。
- エルサレム旧市街とオリーブ山徒歩観光プライベートツアー<日本語ガイド>
- 世界遺産・マサダ要塞+エン・ゲディ国立公園ハイキング+死海で浮遊体験 1日観光ツアー<英語ガイド/テルアビブ or エルサレム発>
- 活気あるスークに教会の鐘が鳴り響く町 ベツレヘム半日観光プライベートツアー<日本語ガイド>
- 世界遺産 エルサレム旧市街+ベツレヘム+カスル・エル・ヤフド+死海浮遊体験 1日観光ツアー<英語ドライバー/テルアビブ or エルサレム発>
宿泊編
ホテルの予約は早ければ早いほど、良い部屋がとれたり、安くなったりします。物価が高いイスラエルで、安くて評判がいいホステルStay Inn Hostelのレビューを書いたので参考にしてみてください。
【宿レポ】エルサレムのゲストハウス「ステイインホステル(Stay Inn Hostel)」宿泊体験記
そのほかイスラエルおすすめホテル!
エルサレム
・マミーラホテル(建築家ピエロ・リによるデザイン)
・キング デイビッド ホテル(エルサレムで最も有名な豪華ホテル)
・ザ ポスト ホステル(立地最高のモダンなホステル)
テルアビブ
・セントラルホテル(ヤッフォ中心部の格安ホテル)
・サン シティ ホテル(バルコニーから街がみられる部屋あり)
・ダビデ インターコンチネンタル(高級ホテル)
・ヒルトン テルアビブ(高級ホテル)
アクセス編
イスラエルの玄関口「ベン・グリオン空港」はテルアビブ市内にありますが、テルアビブを経由せずエルサレムまで直接行くことができます。以下でエルサレムへのアクセス方法(バス・タクシー・シェルート)を紹介してるので、参考にしてください。
イスラエルのベングリオン空港からエルサレムへの移動手段はシェルートがおすすめ!