チェコ

プラハ市民会館のツアーに参加してきた。料金・見所を徹底解説!

チェコの文化遺産である市民会館は、プラハで最も重要なアールヌーヴォー様式建築の一つ。

チェコの奇才ミュシャがデザインした市長の間や、プラハの春音楽祭が開かれることで有名なスメタナホールも、このツアーでまわることができます。

今回は、チケットの購入方法からツアーの見所まで、実際に行ってきたのでレポートしたいと思います♪

市民会館の歴史

はじめにさらっと市民会館についてご紹介。

市民会館は1905年から1912年、チェコがオーストリア=ハンガリー二重帝国に属していたころに建設が行われました。

当時のプラハは、複数の民族にまたがるハプスブルク王朝支配下というドイツ文化との混沌の中にありました。その中で、己のアイデンティティの自覚を目指し、チェコ人たちを鼓舞するような、チェコの文化を象徴する建造物の建築を計画したんだそうです。

ここ市民会館では、1918年10月28日にチェコスロヴァキア共和国としての独立宣言が行われ、また1989年11月には共産党と民主党との協定がはじめて公式に行われました。

チェコの現代史を語るうえでの証人的存在なのです。

市民会館の外観と内部の構造

市民会館の面積は4,214㎡、外からだと2階建ての建物に見えますが、内部には7階分のフロアがあります。建設費用は600万コロナ(約2,820万円)で、当時の建設にかかったもの中ではもっとも高額な建築物だったそうです。

ここの見所はなんといっても、当時のチェコにおける一級レベルの画家や彫刻家たちが制作した芸術的装飾の数々

主な芸術家としては、ミコラーシュ・アレシュやアルフォンス・ミュシャ、ヨゼフ・ヴァーツラフ、フランチェスコ・ジェニーシェクなどなど。

ミュシャくらいしかわからないけど、そうそうたる顔ぶれらしいよ・・

現在でも各ホールやサロンは、コンサートやパーティー、会議、舞踏会、ファッションショー、記者会見、展覧会など各種のイベントに使用されていて、毎年数百を超える文化活動が、この市民会館で行われています。

市民会館のツアー料金・チケット購入方法

チケット売り場

ツアーガイドのチケットは、市民会館に入って左手のカウンターで購入することができます。

美しいステンドグラスを目印に探してみてくださいね

ツアーは30分〜1時間半おきに開催されており、所要時間は1時間くらい。

当日に行ってもチケットは取れると思いますが、心配な方は以下のHPから予約しておくといいかもしれません。その日に開催されるツアーの時間も載っています。

チケット購入、タイムテーブル:Tours – Obecni dum

料金

ツアーの料金は以下。クレジットカードも可でした。

大人 290コロナ(約1,360円)
15才以下、26才未満の学生、60才以上 240コロナ(約1,100円)
団体(2人までの大人と3人までの18才未満) 500コロナ(約2,350円)
撮影代 55コロナ(約260円)

撮影する場合は別途カメラ代が必要。支払うと撮影許可シールがもらえます。

いざ市民会館のツアーに参加!

スーベニアショップのところからツアーがスタートします。

スメタナホール

はじめに訪れたのが「スメタナホール」です。

ここでは毎年100を超えるクラシックコンサートが行われていて、特に「プラハの春」国際音楽祭の会場となっていることで有名ですよね。

巨大なアーチの天井が印象的で、中央の天井には大きなステンドグラスの装飾窓があり、ホール全体に美しい光が注がれています。

ステージ上のオルガンは4814本のパイプからできており、世界最大のオルガンの一つなんだそう。

ステージ横には右側にプラハ市長の席、左側にチェコ大統領のためのボックス席があります。

カフェ

スメタナホールから出るところにすぐカフェがあります。

主にバロック様式ですが、各所には金を使った装飾、ランプやエアコンの格子部分の花柄などにアールヌーヴォー様式も見つけることができました。

大きな窓から日の光がたくさん注がれていて、ここで飲むお茶はさぞかし美味しかっただろうな、と当時を想像してみたり。

スロヴァーツコ・サロン

カフェの隣には小さなサロン「スロヴァーツコ・サロン」があります。

モラヴィア地方の地域スロヴァーツコの民族模様が装飾のモチーフとなっているためこの名前がつけられたんだそう。

このモチーフは壁の模様やカーテンの刺繍、麻や皮でできた装飾にみることができます。全体的にブルジョアの住居スタイルの影響を受けているようです。

ここでユニークなのは、金属製カタツムリのミニ噴水がついた水槽で、アールヌーヴォー様式のもの。

ボジェナ・ニェムツォヴァーの小サロン

チェコの有名な女流作家であるボジェナ・ニェムツォヴァーの名前にちなんだサロン。次に続くオリエンタルサロンとの間に小さく位置します。

噴水はカラフルなガラスをはめ込んだモザイクで覆われていて、白い陶器でできた真ん中の階段状の小さな滝の部分はアール・デコ調。

サロンとサロンの間の小さなスペースにも、巧みな手細工が施されているのに感動!

オリエンタル・サロン

このオリエンタル・サロンは、アール・ヌーヴォーとオリエンタルな装飾が見事に調和している空間。主にチェスやカードなどのゲームを楽しむために作られたサロンだそうです。

市民会館ができた20世紀諸島は、東方への関心が非常に高まっていたため、イスラムーアナトリア美術にインスピレーションを受けたデザイン。

それぞれの調度品には贅沢な彫刻。

グレーグル・ホール

このホールは19世紀の重要な政治家で、チェコ青年団の創始者の一人であり、「国民新聞」の創始者でもあるユーリ・グレーグル博士にちなんでこの名前がつけられました。

ここの主な装飾は、フランチシェク・ジェニーシェクの絵画。生命の誕生から死にいたるまでの過程をあらわした3つの物語『慈悲の歌、戦争の歌、弔いの歌』という作品です。

このホールはパーティーや社交のための娯楽施設として作られたため、音楽家のためのステージとギャラリーも設置されていました。

パラツキー・ホール

このホールは、19世紀における国民の文化生活のための重要な活動家で、チェコの歴史学者、政治家でもあったフランチェシク・パラツキーの名前からとられています。

長椅子の木製の柱にはそれぞれ小さな女性の彫刻が施されており、ホールのドアの取っ手はエキゾチックなエジプト風の装飾。

芸の細かさにうっとり・・

市長の間

さて、一番楽しみにしていた、ミュシャがデザインした市長の間です!

ホールの上部、壁から天井にかけては国民の根底にある伝統や歴史を彷彿とさせる、スラブ民族の団結をテーマとした絵画がぐるっとホールを取り囲んでいます。

また、『スラブの団結』という名をもつ天井の壁画は、スラブ民族の人々の営みが円形に描かれていて、その空の中央には翼を盾にして人々を守っている大きな鷲の姿が見えます。

窓にはミュシャのアイデアをもとに作られたステンドグラス。繊細で可愛らしくって、すぐにミュシャの作品だとわかります。

ステンドグラスから漏れて入ってくる光が、ホール全体に魅惑的な雰囲気を作り出していました。

ミュシャはこの市民会館に関わる作品・デザイン制作の依頼も、あまりに大きな作業であるにも関わらず、無償で引き受けたんだとか。

チェコに対する愛国心がとても強かったがゆえですね

リーグル・ホール

堂々とした雰囲気がただようこのホールは、チェコの政治家で新聞記者でもあった、熱烈な愛国心の持ち主フランチシェク・ラヂスラフ・リーグルの名前からとられています。

ここの見所は壁にある二つの絵画。チェコの作家や画家、作曲家のポートレートが一同に描かれています。

それぞれの人物が生きた年代や地域はバラバラで、現実世界では一同にみることはあり得ない。そんな人たちが、一つの絵に揃って描かれているのは世界中をみてもここだけであり、非常に珍しく興味深い絵でした。

スラトコフスキー・ホール

最後は、19世紀におけるチェコの重要な新聞記者で、政治家でもあったカレル・スラトコフスキーの名前がついたホール。

演説や談義を行うための構造になっていて、他のホールに比べるとシンプルなつくり。

高く作られたサロンはステージとしても使用されており、現在ではコンサートもよく催されているようです。

チェコへ行く前に!

チェコへ行く前に役立つ(かもしれない)情報をまとめました。参考になれば嬉しいです!

ガイドブック編

はじめて行くのに1冊は持っていきたいガイドブック。おすすめは以下。

旅のヒントBOOK

私のおすすめはイカロス出版の「旅のヒントBOOK」。見やすいデザインと女子好みな情報がたくさんつまったお気に入りの一冊。また、定番だけではなく少しマニアックな観光スポットが載っているのがポイント。

aruco

arucoは「地球の歩き方」が出しているガイドブックで、小さいのに情報量が豊富。特に旅好き女子をターゲットにしており、フォトジェニックなスイーツやスポットの最新情報が載っています。

宿泊編

ホテルの予約は早ければ早いほど、良い部屋がとれたり、安くなったりします。

プラハのDream Hostel

今回筆者が泊まったのは、2018年12月にできたばかりのDREAM Hostel(ドリームホステル)。「立地がよくて、安くて、おしゃれ」の三拍子のホステルでしたので参考にしてみてください。

 プラハのおしゃれゲストハウス!ドリームホステル宿泊レビュー

そのほかプラハのおすすめホテル!
K+K ホテル セントラル プラハ(オペラ劇場を改装したホテル)
グランディオール ホテル プラハ(リーズナブルな5つ星)
ベトレム クラブ ホテル(リーズナブルで立地最高)
ベスト ウエスタン プラスホテル(人気の4つ星ホテル)

交通編

列車で迎えた朝

プラハからクラクフまで夜行列車で移動したんですが、これが想像以上に快適で素晴らしい体験でした!ガタンゴトンと音がする列車の中で目覚めると、外の景色がガラッと変わっている光景をみると、旅気分がさらに盛り上がります。ヨーロッパの陸路移動の参考にしてください。

 プラハからクラクフの夜行列車が超快適だった。予約方法・料金・乗車記

観光編

中世の街並みが色濃く残るプラハは「おとぎの町」や「世界で一番美しい町」と言われますが、見どころは街並み以外にもたくさんあります。見どころを一部ご紹介しておきます。

 

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